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数学

p進整数となる分数のp進展開

p進整数となる分数をどうp進展開するか 最近p進数について何度か記事を書いていく中で、ふと疑問に思ったことがある。例としての場合を考える。このとき、は5進整数である。なぜなら、5進付値が以下のように0以上になるからである。では、この数を5進展開す…

p進整数の可視化による逆極限とp進展開の橋渡し

本稿でも引き続きp進整数について述べる。前回の記事で逆極限によるp進整数の定義を述べた。本稿ではまずこれを視覚的に捉え、次いでp進展開との関係について述べる。 p進整数の定義おさらい まず、逆極限によるp進整数の定義を再掲しよう。剰余環と自然な全…

整数環とp進整数環の関係

p進数とは 今日は再び数論について書いてみる。トポロジーの勉強を始める前は数論の本(数論Ⅰ)を読んでいたのだが、これがどうにも消化しきれず、一旦停止していた。本稿では一読して理解しきれなかったトピックの1つであるp進整数について書いてみる。数論の…

ホモロジー群とその計算例

本稿では位相幾何学における基本的な量であるホモロジー群と、いくつかの図形に対するホモロジー群の計算例について述べる。 位相不変量としてのホモロジー群 位相幾何学では、図形を位相空間であると捉え、位相同型な空間同士は同じ図形であると考えるとい…

有限生成アーベル群の捩れがrankと無関係な理由

有限生成アーベル群のrank 今日もトポロジーの本を読んでいて得られた副次的な知見について書いてみたいと思う。それは、有限生成アーベル群のrankにまつわる話である。有限生成アーベル群の基本定理により、任意の有限生成アーベル群Gは以下の形の群と同型…

群の同型と剰余群の罠

先日トポロジーの本を読んでいたときに、私が剰余群について疑問に思ったことについて言及されている箇所があった。本稿ではそれについて書いてみたいと思う。 疑問 剰余群の最も簡単な例として、を考えてみよう。これが位数2の巡回群になるのは周知の通りで…

鎖群の境界写像の境界っぽさを味わう

最近、読みたいと思っていたトポロジーの本(本稿末尾を参照)を図書館で見つけたため、急遽トポロジーの勉強を始めた。トポロジーとは、位相同型な図形(正確には位相空間)の間に存在する不変量を研究する分野である。大事な位相不変量としてホモトピーとホ…

代数体の整数環においてUFD⇔PIDとなることの証明

今日は一意分解環(UFD)と単項イデアル整域(PID)の関係について、数論に絡むことを書いてみようと思う。一般に、PIDはUFDである。このことの証明は恐らく多くの環論の教科書に載っているであろうから、本稿では特に触れない。実は、代数体の整数環においては…

二次体における素イデアルを全て求めることはできるか?

ここのところ代数的整数論を勉強しているわけだが、自分はどうにもイデアルに弱いようだ。その原因を考えてみると、どうにも単項イデアルでないイデアルに馴染みがないのが原因である気がしてきた。この悩みはきっと環論や代数的整数論を学び始めた人に共通…

代数的整数論におけるイデアル類群・単数群の初歩的な意味

2017年最初の記事である。今年は本業とプライベートが両方とも忙しくなりそうだが、そんな中でも数学をする時間をなんとか捻出したいと思う。数学に関する今年の抱負をいろいろと考えてみたのだが、今年は類体論の心を理解することを目標にしたいと思う。類…

閉形式の線積分とポテンシャル場の線積分

今日も微分形式とベクトル解析について書く。テーマは経路に依らない線積分である。まず、ポテンシャル場における線積分について説明する。あるベクトル場において、経路Cに沿った線積分を行うことを考える。Cの始点は点P、終点は点Qであるとする。このとき…

スカラーポテンシャル・ベクトルポテンシャルと微分形式の外微分の関係

今日も微分形式について書きたいと思う。本当は線積分周りのことを書いて多様体の話は一旦終わろうと思ったのだが、それはまた後に回して、ここではベクトル解析の式がまたしても微分形式により一般化される別の事例について書きたいと思う。 スカラーポテン…

多様体上での積分と一般化されたストークスの定理

前回は微分形式について基礎知識を整理してみた。今回は微分形式の積分について考えてみたいと思う。 1次微分形式の積分 1次微分形式について、のある区間での積分を以下のように定義する。 この積分値はでの座標の取り方に依らず決まるという重要な性質があ…

多様体上の微分形式の基礎知識

最近「多様体の基礎」という本を読んだ。実は今回が2回目のチャンレジで、前回は5章のベクトル場のあたりで打ちのめされてしまったのだが、今回は何とか強引に最後まで読み進めることができた。が、知識の定着度はお察しの通り、いまいちである。特に、微分…

群の自然な準同型と部分群の対応

群Gとその正規部分群Nがあるとする。Gから剰余群G/Nへの自然な準同型をとする。G/Nの部分群全体の集合を、GのNを含む部分群全体の集合をとする。このとき、写像は全単射となる。つまり、との元の間には一対一の対応関係がある。例によって細かい理屈はここで…

有限生成アーベル群の基本定理にまつわる考察

群論の有名な定理の1つに有限生成アーベル群の基本定理というものがある。これは、群Gが有限生成アーベル群であれば、Gは巡回群の直積に分解できるというものである。より具体的には以下の通りである。 群Gが有限生成アーベル群であれば、となるような自然数…

有限次分離拡大が単拡大となることの具体例を愚直に計算してみる

体の拡大L/Kが有限次分離拡大であるとき、この拡大は単拡大になることが知られている。私が使っている教科書にもこの定理は載っており、具体例としてが取り上げられていた。しかし、その説明が私にはエレンガント過ぎて、なんともピンとこなかった。私がとに…

数式処理システムSageMathで遊ぶ

代数学について勉強していると、具体的な群の構造やら何やらを知りたくなる時がある。しかし、それらを理論的に求めることができたとしても、実際に計算してみるのは大変骨の折れることだ。例えば、ある群の部分群を全て知りたいとか、ある多項式のガロア群…

体K上の多項式環K[x]を既約でない多項式f(x)で生成されるイデアル(f(x))で割って得られる剰余環はなぜ体にならないのか

Kを体とする。K上の多項式環K[x]に対して、]がK上既約であれば、剰余環は体となる。これは代数学における極めて有名な事実だ。このようになる教科書的な説明を述べると、K上既約な多項式から生成されるイデアルは極大イデアルであり、極大イデアルによる剰余…

ネットワークトポロジーに潜む位相空間

情報を学んだ事のある人間であれば、ネットワークトポロジーという言葉を聞いた事があるだろう。これは、ネットワーク上でサーバやスイッチ等がどのように接続されているかを示す用語である。 また、トポロジーというのは数学の位相を意味するということは、…

ガロアの基本定理の定性的なイメージと具体例

少し前にやっとガロア理論を学ぶことができた。ガロア理論の核となるのはガロアの基本定理である。ざっくり説明すると、L/Kが体のガロア拡大であるとき、その中間体Mに対してガロア群Gal(L/K)の部分群の中に1対1に対応するものがあるという定理である。しか…

代数拡大、分離拡大、正規拡大そしてガロア拡大へ

今日は久々にソフトウェアエンジニアとしてではなく、日曜数学者としての記事を書いてみる。実はここ数カ月、ずっと代数学の勉強をしている。代数学は以前雪江先生の本にチャンレンジして、見事に撃沈したので、今は2度目の挑戦中である。(懲りずにまた雪…

群の可視化に関する考察その2

前回の記事で群の可視化について考察した。その際、群の全ての元に対して、全ての元を掛けあわせたときの遷移先をグラフのエッジとして表すという方法を採った。しかし、これだと群の位数nに対してエッジ数がn2となってしまい、位数が大きい群を可視化するの…

群の可視化に関する考察

私は元来情報系の人間であるが、ここ数年は専ら数学の勉強をするのが趣味となっている。個人的な最終目標は代数的整数論、及び解析的整数論の基本的な事項を理解することであるが、まずはそのための下準備として代数学を勉強している。代数学における一番基…