2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

閉形式の線積分とポテンシャル場の線積分

今日も微分形式とベクトル解析について書く。テーマは経路に依らない線積分である。まず、ポテンシャル場における線積分について説明する。あるベクトル場において、経路Cに沿った線積分を行うことを考える。Cの始点は点P、終点は点Qであるとする。このとき…

スカラーポテンシャル・ベクトルポテンシャルと微分形式の外微分の関係

今日も微分形式について書きたいと思う。本当は線積分周りのことを書いて多様体の話は一旦終わろうと思ったのだが、それはまた後に回して、ここではベクトル解析の式がまたしても微分形式により一般化される別の事例について書きたいと思う。 スカラーポテン…

多様体上での積分と一般化されたストークスの定理

前回は微分形式について基礎知識を整理してみた。今回は微分形式の積分について考えてみたいと思う。 1次微分形式の積分 1次微分形式について、のある区間での積分を以下のように定義する。 この積分値はでの座標の取り方に依らず決まるという重要な性質があ…

多様体上の微分形式の基礎知識

最近「多様体の基礎」という本を読んだ。実は今回が2回目のチャンレジで、前回は5章のベクトル場のあたりで打ちのめされてしまったのだが、今回は何とか強引に最後まで読み進めることができた。が、知識の定着度はお察しの通り、いまいちである。特に、微分…

群の自然な準同型と部分群の対応

群Gとその正規部分群Nがあるとする。Gから剰余群G/Nへの自然な準同型をとする。G/Nの部分群全体の集合を、GのNを含む部分群全体の集合をとする。このとき、写像は全単射となる。つまり、との元の間には一対一の対応関係がある。例によって細かい理屈はここで…

有限生成アーベル群の基本定理にまつわる考察

群論の有名な定理の1つに有限生成アーベル群の基本定理というものがある。これは、群Gが有限生成アーベル群であれば、Gは巡回群の直積に分解できるというものである。より具体的には以下の通りである。 群Gが有限生成アーベル群であれば、となるような自然数…