2020-01-01から1年間の記事一覧

測度論がちょっと分かった気がする ~ルベーグ測度を見つめる~

前回の記事では、測度論の一般的な事柄について理解を深めた。本稿ではルベーグ測度に焦点を当てて、理解を深めていきたいと思う。 外測度と内測度 ルベーグ測度とは面積や体積を一般化したような量、いわば集合のサイズを計るための道具である。ルベーグ測…

測度論がちょっと分かった気がする ~完全加法族から可測関数まで~

私が初めて測度論を勉強したとき、それはルベーグ積分の準備として勉強したのだが、なんだか良く理解出来なかった覚えがある。測度論がやろうとしていることはなんとなく分かる。一番最初のモチベーションは、やはり面積や体積のような概念を数学的に厳密に…

符号付き整数の代数的構造

数学の勉強に行き詰まったので、プログラミング関連で思い付いた小ネタについて書いてみる。C言語でプログラミングをしたことがあれば、符号付き整数というものは扱ったことがあるだろう。例えばint型の変数とか、そういうものである。符号付き整数では負の…

代数幾何学で遊ぼう ~なぜZariski位相を使うのか~

前回に続き本稿でも代数幾何学について考えてみる。今回のテーマはZariski位相である。代数幾何学と言えば必ずと言って良いほどZariski位相が登場する。Zariski位相は多項式の集合の共通零点によって定められ、確かに代数多様体に入れる位相として相応しいよ…

代数幾何学で遊ぼう ~Nullstellensatzの強形と弱形~

趣味で数学を勉強し始めてから幾星霜、ついにここまで来た。そう、代数幾何学である。ついにこの高みに手を伸ばすところまで辿り着いたのだ。修士一年の頃から約8年、研究に役立てばと群論を学び始めたのがきっかけだったが*1、その道すがらで出会った代数幾…

16進数から10進数への変換を概算で求める

私はソフトウェア開発という仕事柄、日常的に16進数を扱っているのだが、16進数を10進数に変換したくなることがよくある。これはWindowsの電卓機能で簡単に実現できるためどうということはないのだが、もしこの変換を暗算で高速に行えると良いと思うことがあ…